
近年増加している野外での作業中の熱中症事故。
ここ数年は天気予報でもその日の熱中症予報も報じられるようになりました。
しかし、実際なってみたことがある方はわかると思いますが、
自分ではなかなかサインに気づきにくいものなんですよね。
こまめに水分補給をしているつもりでも、
自分では気付かないうちに熱中症に陥ってしまっていることも多いと言います。
特に作業中は、その作業に集中しているため、自分では判断を誤りがちです。
熱中症は、特に小さなお子さんや高齢者の方が注意が必要ですが、
近年高齢化が進む農家さんの作業中の熱中症は、増加傾向にあります。
毎年、熱中症による作業中の死亡事故は20件ほども起こっています。
特に夏場のビニールハウス内での作業には、慎重な健康管理が必要となってきます。
このような状況を踏まえ、伊藤忠テクノソリューソンズ(CTC)は、
IoT技術を活用して、農作業者の熱中症を始めとする健康状態を管理する
新サービスを発表しました。

腕時計型で、心拍数、身体負荷、熱ストレスなどの身体データを取得するものと、
位置情報と移動軌跡などのロケーションデータや作業者の姿勢などの動作データを取得するもの。
この各デバイスから、Bluetoothで作業者のスマートフォンと連携。
取得したデータはスマホ経由でデータセンターへ送られ、
データを分析し、作業者の体調が危険な状態にあると判断された場合には、
現場の管理者のスマホにメールなどでアラートが通知される仕組みです。
今年の8月から9月にかけて、浜松の農園で実証実験を実施。
データをもとに、作業を適切に配分したり、個人ごとに休憩時間や
連続勤務日数を調整できるなど、一定の成果を得たそうです。
農家には繁忙期があり、人手不足を補うために普段は農作業を行っていない
人にも短期的に農作業をお願いする場合があります。
現場を管理する農家さんはこれにより複数の作業場で働いている
作業者の方たちの体調の変化に気がつくことができるのではないでしょうか。

高齢化など様々な問題がありますが、このようなデバイスのサポートなどを受けながら、
安心して美味しいものを作る環境を作っていっていただいたいですね。
(伊藤忠テクノソリューソンズ(CTC))